--.--.--(--):スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2012.09.17(Mon):ストプレ話
9/16(日)16時半 名鉄ホール 8列下手側

アザミ(吸血鬼):薬師丸ひろ子 
こがね(吸血鬼):篠井英介
マリオ(人間):村井良大
夏彦(吸血鬼):萩原聖人
<上演時間:1時間半>

兵庫公演は無理、大阪公演を観に行けるかわからなくて「今年は英介さんの舞台観られないかも…」と落ち込んでいたところ、偶然名古屋公演が日曜にあることを知り観に行って参りました。
チケットはぴあで直前に取ったんですが、席は前方の端。でも、ここのホールは舞台もあまり大きくなく客席も縦長な台形な感じなので、端といってもサブセンターぐらいの感覚で観易かったです。音響はあんまりかな?
【More...】

役名でも触れていますが、このお話は三人の吸血鬼がひょんなことから人間の小さな男の子を拾ってしまい、その子を育てるために人間のふりをしながら生活しているというお話です。
最初に英介さんが吸血鬼役だと聞いた時にはゴシックスタイルのお約束のああいう吸血鬼を想像してたんですが、蓋を開けてみたら英介さんはもちろん、薬師丸さんも萩原さんもこれほど日常生活に馴染んでいる吸血鬼って現れないんじゃないかというぐらい人間的な吸血鬼。一言で言うとっても愛らしい(いや、どこぞの馬鹿息子もある意味愛らしいですけど)。でも話が進んでいくにつれてやはり人とは違う、時間には縛られないけれど自分の生き方も何も選べず、永遠の時を過ごさなければならない哀しみが大きく伝わってきました。

アザミ
フードのついた白のワンピース風の衣装で、下に小豆色のジャージを穿き、編み込みした三つ編み姿。
大東亜戦争中に海岸でフジツボを見つけてひもじさからそれを焼いて食べ、家族の皆にも食べさせようと夢中で岩に張り付くフジツボを取って帰ると、家はもちろんその周辺も空襲で焼け野原となっていて孤児となってしまう。
フジツボを欲張って取ったから罰(天涯孤独になる)が当たったんだ、だったらもう自分はこの先何も食べたくないと願い、この時に吸血鬼に噛まれたらしい。そんな経緯から、四人で家族をやってる時の気分は海洋生物の研究をする女子大生=マリオの姉らしい。

こがね
うすピンクのインナーの上に紫のジップアップパーカー、下が紫のプリーツマキシスカートで、その下にパーカーと同素材風な紫のパンツ、髪型は所々金メッシュの入った茶髪のマッシュルームショートボブ。
生まれは平安末期頃で齢900歳らしく、その当時もてはやされていた美人顔(しもぶくれで丸顔でおちょぼ口)とは程遠い自分の顔(しゅっとした顔)にコンプレックスを持っていて、それ故美への意識が高い(「首から上だけが顔じゃないのよ!デコルテも顔なのよ!」)。
テレビが大好きで、デコルテケアもしっかりする、気分はアラフォー女子。人体模型の色付けの内職で家計を助けているようだが、動脈と静脈を間違って塗っても「一つぐらいいーじゃん!」と開き直る辺りきっとB型。
彼女の中での家族設定は他人同士が一つ屋根の下で暮らすシェアハウス。

夏彦
Tシャツの上にチャコールグレーのスウェット風のパーカー、下はパーカーと同じパンツ姿で、ちょっと疲れたお父さんって感じのボサボサヘアー。
江戸初期の武家の生まれながら学も剣も駄目駄目で、父との関係はよくなかったらしい。その父から気勢をあげるために島原で起こっていた一揆(島原の乱)へ赴くことを命じられ、そこで人間の所業とは思えない残虐な行為を目撃し、その後吸血鬼となる。
人間時代の父との関係もあって、マリオには理想の父親として接しているらしい(気分は)。なので、アザミ=母、こがね=祖母のつもりだった。

マリオ
時には学生服だったり、時にはチェックのシャツ姿だったり。
2歳の時にある災害で親を亡くしたらしく、一人ポツンと佇んでいるところを夏彦に拾われ、15年間生活してきたが、反抗期も相俟って、ずっと同じ服で他の家にはあってこの家にはない様々なものに徐々にこの家族に不審を感じ、時が止まったままのようなこの家に疑問を感じていたが、ある日、目の前で事件を起こした見知らぬ男の口から抜け落ちた歯を拾ったお陰で「生きている」と思えるようになる。

台詞のあちこちにクスッと笑える物が散りばめられていて前半の雰囲気はコメディーに近いかな?ブラウン管のテレビを抱えるこがねさんが可愛い。夏彦がマリオと出会った時の話(もう80回以上話してるそうですが)を再現する芝居の「…来る?」「…うん!」をやりたがるアザミさんとこがねさんが可愛い。
あと、マリオが拾った歯をドラッグと勘違いし、マリオを心配するあまり彼の血を吸おうとするシーン(吸ったものに禁断症状が表れるかどうかでマリオがドラッグをやっているかがわかるということから)でじゃんけんで負けた夏彦が吸おうとしてマリオに「気持ち悪い!」と突き飛ばされるのとか、家の中に見知らぬ他人の血の匂いがする(この辺り吸血鬼っぽい)→マリオが誰か殺したんじゃ!→それならこの家のどこかに凶器があるはず!(サスペンス観過ぎですこがねさん)→必死に3人で凶器を探すシーンで「家庭の医学~!」と言いながら辞書を投げるアザミさんにも大笑い。
一番笑ったのは、上の通り3人の中で家族設定がバラバラなもんだから「僕を生んだのは誰?」って問い詰めにアタフタして、「あたしが生んだのよ!(「小さい頃からばあちゃんだったし」)」とこがねさんが言い、「あたしよ!(「いや、姐ちゃんだし)」とアザミさんが言い、終いには「俺が生んだんだ。性転換したんだ!」と言い出す夏彦さんとかお腹痛くなるぐらい笑いました。テンポもすごくよかった。
あと吸血鬼のお決まりと言えば十字架とにんにくと日差しですが、マリオが作ったはたきとハエ叩き製十字架に悶える姿に笑って、日差しを防ごうとパーカーのフードを被ったこがねさんは確かにどこぞのたらこっぽかったです(^^;
やがて彼らの本当の正体を知るマリオ。最初は信じられない様子だったマリオも、3人の告白と様子に本当のことだと思い、やがて自ら吸血鬼になりたいと言います。
最初は戸惑っていた3人も、「こんな食うか食われるかの世界よりいいかもしれない…」とマリオを受け入れようとするんですが、結局マリオは3人の元から離れ、食うか食われるかの世界(=人間の生きる世界)へと戻って行き、永遠に彼らとさよならすることを選びます。
口では3人の夢の為(ずっと彼らと共に暮らして生きてきたマリオは彼らが縛られながらも自由に選べる生活に憧れを持っていたことがわかった)と言っていたけれど、その中にはどこか吸血鬼になってしまうことへの恐怖心もあったんじゃないかと感じたし、そんなマリオを見送り、黒いコートと黒い帽子を身につけてタンスの中で眠りにつく3人の表情からは、マリオと永遠に別れることは辛かっただろうけど、マリオが自分たちと同じ永遠の苦しみを味合わないことに安堵しているようにも感じました。
人と吸血鬼な彼らに共通しているたった一つのことが、それぞれの時や場所で「行方不明者」であるということ。そんな彼らもそこに存在し生きていた…哀しいけれど、嬉しくもあり、でも切ない、不思議感覚に陥った作品でした。今もどこかであの3人は人間の中で生きているんだろうなあ…。

とりあえず私は「吸うわよ?」のこがねさんに吸われたいです。
Secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。